ケア・コロキウム(3年次)

チーム医療・専門職連携の重要性について学ぶことを目的として2006年度より導入された、医学類3年次(約140名)、看護学類4年次(約80名)、医療科学類3年次(約40名)の学生を対象とした、3学類合同の専門職連携教育プログラムです。2010年度より大学間連携により、東京理科大学薬学部5年次(約100名)の学生が参加しており、300名以上の学生、50名以上の教員が参加する医学群最大規模のプログラムです。
専門の異なる8-9人の小グループで、患者・家族のケアに多職種が関わるケースシナリオをもとに、ケースの問題点、解決策等について討論するInterprofessional PBLテュートリアル形式で学習します。その人がその人らしい生活を送るために、現場の様々な専門職がどのように情報を共有し、各専門職がどのような役割を担い、そして連携する必要があるかを、1週間、時間をかけて討論します。

 

時間割例

[コアタイム]:テューターが同席し、ディスカッションを行う
[グループワーク]:学生のみでディスカッションを行う
[質問タイム]:ケースに関する質問に対してシナリオ作成者が回答する

[演習1・2]:チームワークをテーマにした演習

[中間発表]:発表会の予演、質疑応答のトレーニング

[まとめのワーク]:チームワーク形成の過程を振り返り「素晴らしいチームワークへの提案」をまとめる

 

アイスブレイク

コアタイム

全体発表

 

シナリオテーマ例
  • 末期患者の在宅での看取り
  • 乳がん患者のケア
  • 小児白血病患児と家族のケア
  • 在宅療養を開始した脳梗塞後後遺症患者の事例
  • 胎児がダウン症候群と診断された夫婦のサポート(映像シナリオ)

患者・家族のケアに多職種が関わるケースシナリオをもとに討論を行います。一部映像シナリオを導入し、より臨場感を持って討論ができるよう工夫しています。

 

学生レポートより

患者や家族にとって何が最善なのかを常に医療者は考えていく必要性を感じた。そのためには、患者を中心とした視点をもつと同時に、それぞれの職種が壁をつくらず、互いの業務内容を理解し、それぞれの専門性を活かして多角的にみていくことが大切なのではないかと思った。そして、多職種間の連携を密に行い、情報共有していくことが患者と家族の意志決定やそれらの尊重にもつながるのではないだろうか。

 

 

 

プログラムの効果の評価については、International Journal of Medical Education 2013; 4:9-17 に掲載されました。