生命科学やヒトの構造と機能の基礎、ヒトの正常と病態について学びます。学習形式は「問題解決型テュートリアル」を中心としており、シナリオ(患者さんのストーリー)を用いて、ナビゲーター役の教員のアドバイスを受けながら、少人数グループでの討議・自己学習・レポート作成を行います。小グループ討論の前後には、学習の鍵となる講義・実習もなされます。
具体的には、1~2年次に基礎医学中心の9コース、2~3年次「消化系」「循環系」など臨床医学を中心とする19コース、3年次のおわりに社会医学を中心とする1コース、計29のコースから構成されています。これら全てが基礎・臨床・社会医学の分野が統合されて組まれていることが特徴です。
医学の基礎(1)(基礎医学中心のコース)
<具体例>
1年次 生理学コース
コース全体の目標として「生体機能のメカニズムを細胞レベル、システムレベル、個体レベルで理解する」ことをかかげています。本コースでは、実習のテーマに関するテュートリアルを行い、その後に行う実験の目的、結果、より深く理解し、結果や解釈をわかりやすく発表することを学ぶことをねらいとしています。
(実習テーマ:1)視覚と眼球運動、2)循環調節、3)脳の学習機能、4)運動の筋活動)。
実習前後に行われる講義では、自己学習の指針となり、実習内容の理解を促します。
<脳の学習機能実習>
<運動の筋活動実習>
シナリオ例
日常生活の中で道具や環境が変ったとき、最初は操作や動作に手間取りますが、いつのまにか慣れてしまいます。自分たちの経験から下記のような事例をあげて、どのように修正をしているのか考えてください。
例1) パソコンのキーボードを買い替えたらキーの配置が微妙に違っていたので、はじめのうちは文字入力に手間取った。
例2) 鏡を見ながら自分の髪の毛をはさみで切るとき、はじめのうちは戸惑った。
医学の基礎(2)(臨床医学中心のコース)
<具体例>
3年次 腎・泌尿系コース
臨床系のコースにおいても疾患の各論のみにフォーカスするのではなく、学生に生体反応のメカニズムや病態生理について理解を深めて、講義テーマをたて、テュートリアル課題を通じてじっくり学べるように組まれているのが特徴です。3週間あるコースの中の時間割を例として紹介します。
医学の基礎(3)(社会医学中心のコース)
<具体例>
3年次 社会医学コース
本コースは、Ⅰ.保健医療福祉制度、Ⅱ.法医学、Ⅲ.医療と環境 より構成される3週間のコースです。医療人として活躍するために、日本の社会保障制度の根幹である保健・医療・福祉・介護制度の現状を理解し、これらの課題を医療提供者、支払い者、サービスを受ける側、行政側(国、地域を含む)等多面的な視点から、把握分析する能力を高めるとともに、そのための必要な基礎知識等を身につけることをねらいとしています。他のコースと同様にオリエンテーション、講義、テュートリアル、発表会、総括から構成されます。