筑波大学では、全学類・専門学群の必修科目として、新入生に対する「フレッシュマンセミナー」を開講しています。フレッシュマンセミナーは、大学生活の入門の時間として1年次春学期に設置されており、医学群では医学・看護・医療科学類共通で設定されています。医学群のフレッシュマンセミナーは、大学における学習を有意義なものにし充実した学生生活を送るために、大学生活および学習の円滑なスタートの支援、専門職としてのキャリア支援、大学生活の基盤となる人間関係の形成などを目的とした講義、小グループ討論等を実施しています。
3学類小グループ討論 人工呼吸器装着ALS患者さんとそのご家族の講演を聴いて
医療人には、患者の立場に立って健康問題を捉える視点、コミュニケーション能力、多職種の理解と協調性が求められるようになっています。このような能力は座学で身につくものではなく、体験を通して学ぶ必要があります。医学類では患者の思い・立場を理解することを目的に1年生1学期に患者講演会を実施していましたが、上述の背景から、平成21年度より対象を医学群1年生全員に拡大し、患者・家族の思いを知ること、専門の異なる学生同士のコミュニケーションを目的とするプログラムをフレッシュマンセミナーに導入し、継続して実施しています。具体的には、人工呼吸器を装着して在宅で医療を受けている筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者とその家族の講演を聴き、その後、医学・看護・医療科学類の学生で構成された4-5名の小グループに分かれ、講演を聴いて感じたこと、考えたことについて小グループ討論を行っています。
患者さんから投げかけられた問いかけは どれも明確な答えは出ない、しかし、これから医療者を目指すものとして、そして、人として、考えていかなければならない、どれもとても重要な問いかけです。講演後、学生達は小グループに分かれ、それぞれが感じたこと、考えたことについて話し合いを行います。
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