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筑波大学は来年度の10月で開学50年を迎えます。既に4000人以上の卒業生が全国の医療の現場や教育・研究機関、行政の分野などで活躍しています。他大学医学部と異なる筑波大学医学類の特色とは何でしょうか。それは、『医学教育革新の先導的役割を果たす』ことにあります。この目的のため、筑波大学医学類は常に新しい教育方式を導入し絶えざる改良につとめてきました。2004年度からは、「新・筑波方式」が導入され、低学年では問題解決型のテュートリアル教育、高学年では参加型クリニカルクラークシップがカリキュラムの柱となりました。更に、地域医療や多職種連携を学ぶ先進的カリキュラム、希望する学生には本格的に研究に取り組む機会(『新医学専攻』)や海外臨床実習なども導入され、6年間の医学教育の中で学生が多様な自己の可能性を追求できるように工夫されています。最近では2015年に『国際基準に基づく医学教育分野別認証』の認定を受け、卒業時コンピテンシーが策定されました。これにより、プロフェッショナリズム・科学的思考・コミュニケーション・診療の実践・医療の社会性・未来開拓力の6つの領域で医学類生が卒業時に身に着けるべき能力と、そこに至るまでのステップが明確に位置付けられました。また、2020年からのコロナ禍においては、対面授業とオンラインのハイブリッド方式が確立され、両者の利点を両立した教育が実施できるようになりました。
入学試験では、従来実施されてきた入学試験(一般入試、推薦入試、編入学)に加え、国際バカロレア特別入試、海外教育特別プログラム入試、研究型人材入試が導入され、多様なバックグラウンドを持つ学生が医学類での学修に参入するようになりました。更に今年度からは総合学域群からの移行生が2年生から合流し専門科目を学び始めています。
以上、勉強や入試のことばかり述べましたが、じつは筑波大学の最大の特色は自然に囲まれた広大なキャンパスと、日本中世界中から学生や研究者が集まるグローバルな環境です。医学類の学生がこの恵まれた環境の中で友人たちと切磋琢磨し様々な体験を積み各自の可能性を無限大に伸ばしていってくれることを願ってやみません。
令和4年4月
医学類長 武井 陽介