先進的な医学教育を推進する支援システム

平成15年、文部科学省は「特色ある大学教育支援プログラム」という支援事業をスタートさせました。今はGP(good practice)と呼ばれるこの取り組みは、法人化以前の画一化・固定化された横並びの予算措置とは異なり、いわゆるコンペ方式で大学が実施する教育改革の取組の中から優れた取組を文部科学省が選定して、その立ち上げを有期限で財政的に支援するものです。

 

この方式は現在ではすっかり定着し、さまざまなプログラムが実施されていますが、導入初年度である平成15年ではすべての大学・学部、すべての領域を対象とした唯一の支援事業でした。
その中で、医学専門学群(当時、現在の医学群医学類)の取組である「先進的な医学教育を推進する支援システム」は、学内での予備選考で20を超える取組の中から第1位となり、さらに文部科学省での審査で競争率約8倍という狭き門を突破して、記念すべき最初の補助事業(特色GP)の対象取組として選定されたものです。

 

<概要>

筑波大学医学専門学群では、講座制のない筑波大学の特長を生かした「筑波方式」と呼ばれる6年間一貫の臓器別・症候別の統合カリキュラムを全国で初めて導入し、優れた医師の養成に高い実績を挙げてきました。これには、開学当初より設置された独自の専任技術職員(10名)による継続的な教育支援室が大きく貢献してきました。

 

本学群では、特色GPの取組として、従来の「カリキュラム委員会」「カリキュラム室」「学群技官室」の3組織を統合し,教員と技術職員から成る医学教育企画評価室(Planning and Coordination for Medical Education;以下PCME室)を設置しました。これは、総合的な教育支援組織を常置化するものであり、この組織改編により,学生と教員の意向・評価を速やかに反映したカリキュラムの企画と実施がこれまで以上に円滑かつ専門的に行われるようになりました。

 

本学群では、社会の要請に基づく医学教育改革をさらに遂行するために、平成16年度よりテュートリアル方式を全面的に取り入れた「新・筑波方式」と呼ばれる新しい教育カリキュラムを導入しましたが、PCME室は現在でもその中心的な役割を担っています。PCME室の位置づけや活動については、こちらを参照してください。