医学類長あいさつ

 筑波大学医学群医学類は、1973年に医学専門学群として開学してから43年目を迎えました。当時、新構想大学として筑波大学の担った社会的使命は、新しい高等教育ならびに研究組織の開発と普及であり、あらゆる意味で国内外に開かれた大学であることを基本的理念としていました。医学教育に関しては、当時革新的であった統合型カリキュラム(学問体系ではなく、病態別・症候別体系の医学教育カリキュラム)を開発するだけでなく、全国で初めて海外臨床実習を正規の実習として認めるなど、今では全国の医学部・医科大学で当たり前となったカリキュラムを先導してきた実績があり、今後もこの役割に変わりはありません。

 現在では、全国で13校ある スーパーグローバル大学トップ型 の1つとして真に国際競争力を持った人材育成や、海外の大学との単位互換性を持ったプログラム開発、国際バカロレア特別入試に代表されるようにボーダーレスな感覚を持った人材受け入れを積極的に促進するなど、さらなる教育改革・入試改革に取り組んでいます。一方、筑波大学における世界最先端の医学研究について入学時から知り、触れ、携わる様々な機会をカリキュラム上備えています。高学年では新医学専攻を選択すると一定期間臨床実習が免除され、研究室やフィールドワークなどに専従することができ、医学研究者や研究思考を有する臨床医の育成にも努めています。

 こうした未来志向と医学教育の現況を踏まえ、本学に入学を希望される皆さんに求められる資質は、①自然科学および外国語活用能力、②豊かな創造性・探究心ならびに向上心、③疾病の克服や人間集団の健康を通じ、地域のみならず人類の健康・福祉に生涯貢献しようとする強い意志や意欲、④人としての倫理観や他者と協調性、です。将来性豊かな皆さんは筑波大学医学類における6年間の最先端教育を経て、優れた臨床医、医学研究者、保健・医療・福祉行政者として世界に情報発信できるグローバルな活躍が期待されています。私たち教員は皆さんが勉学はもとより、学生時代に何事にも悔いなく全力で取り組むことを助け、激励し、健全で良識ある方向に若いエネルギーを導くのが責務です。その過程で日々の達成感や喜怒哀楽、培われた人間関係など、多くの得がたき財産を筑波大学で共有できますことを心からお祈りしております。

 

平成28年5月

医学類長  田中 誠